WEBサービスの収益化・マネタイズ手法3つ&事例まとめ

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個人にしろ、法人にしろ、WEBサービスをやってたらやっぱり何かしらの形で収益化したい。収益化を考えるときに、どんな手法があって、どのモデルを採用すべきか、ということをまとめてみたい。

マネタイズの手法

  • 広告モデル
  • 直接課金モデル
  • 物販(EC)モデル

詳細についてはこのあと述べるが、大きくわけてこのような形だ。フリーミアムの考え方に基づいて、ベースとなるサービスが広告モデル、そして一部のユーザーにプレミアムなサービスを直接課金で提供する、というのはよく見られる。

フリーミアムというのはWikipedia先生によるとだ、

フリーミアム(Freemium)とは、基本的なサービスや製品を無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能について料金を課金する仕組みのビジネスモデルである。無料サービスや無料製品の提供コストが非常に小さい、あるいは無視できるため、Webサービスや、ソフトウェア、コンテンツのような無形のデジタル提供物との親和性が非常に高い。

ということ。では、個別に解説していく。なお、どういった戦略をとるべきか、ということについては今回は扱わない。ターゲットの選定、類似した媒体の有無や広告クライアントの存在等々から類推されるサービスの「必要性」。そしてサービスそのものの「中毒性」など、フォーカスすることは多く、分析は難しい。いつか記事にしたいと考えてはいる。

広告モデル

広告モデルを採用しているサービス事業者

はてなFC2Amebaなどのブログ事業者、Yahooなどのポータル事業、FacebookTwitterなども該当。WEB関連では非常に多く、多数の事業者が採用

いわずと知れた、広告を掲載して、その広告に応じたフィーを掲載者が得るというもの。
この広告のタイプは

という形にわけられる。

純広告は広告代理店、または広告クライアントとの直接の契約に基づいて、バナーもしくはテキストリンクを設置する、という形になる。掲載本数は少ないが、相性のいいクライアントを見つけることができると、安定して高い収益につながる可能性がある。

アフィリエイトとはA8などに代表される、アフィリエイトプロバイダと契約し、そちらからバナーやテキストリンクを取得し、設置する。掲載しただけでは金銭にならず、該当の広告をクリック後、顧客が広告掲載サービスの購入などに至ってようやく収益となるケースが多い。単価はまちまちだが、1顧客あたり数10円〜数千円。

PPCは pay per clickの略で、顧客が該当のバナーやテキストリンクをクリックする度に収益となる。しかしクリックあたりの単価は低い。掲載内容は選べないことが多いが、システムが自動的にクリック率の高い広告が掲載されるよう調整してくれることが多い。代表的なサービス提供者はGoogle Adsense など。

直接課金モデル

直接課金モデルを採用しているサービス事業者

先日話題になったはてなブログに限らず、多くのブログ事業者の他、モバゲーなどソーシャルゲームでも見られる。サイボウズやセールスフォースのようなBtoBでもよく用いられる。

サービスの利用者が直接その利用に対する対価を払うケース。

ブログサービスなど、コンシューマー向けビジネスでは無料ユーザーからの収益は広告モデルに頼りつつ、直接課金するユーザーとして有料ユーザーの獲得をする、というケースは多い。BtoBながら、Google Apps for Businessなども同様のケース。

もともとサービスを利用したら対価を支払って当然という「商習慣」的なものが根付いているBtoBでは当たり前のように行われている。

物販(EC)モデル

物販(EC)モデルを採用しているサービス事業者

Amazonなどの大規模小売り事業者、楽天やCROOZMALLなどのモール運営者。そしてそれらモールに出展する多くの店舗運営者

EC(E-Commerce)というのは直接課金モデルに含まれる、と考えてもいいのだが、実際の「もの」が動きWEBで完結しないこと、またそれにともなったある事情が絡むため別枠とした。

何が問題かというと、物販にしてしまうとビジネスが飛躍的に伸びにくいのだ。

WEBサービスはその特性上、一気に爆発的なアクセス・ユーザー増をすることがある。しかし物販というビジネスモデルはそのユーザー増についていけない場合が多い。

在庫不足、受注処理、出荷処理の人員不足。その間に確認しなければいけない膨大な作業工程。

このあたりを解決するためにCROOZMALLというモールを展開するCROOZ株式会社の方法は面白い。既存のブログサービスを中心に多数のユーザーを抱え、これをマネタイズするためにモールという戦略をとっている。モール型にすることで上記のようなリソース不足を、出店している店舗に丸投げできる。最近だとベネッセもウィメンズモールといって既存のユーザーをモールにてマネタイズする同様の戦略をとっている。

ECに関するいろいろなことはまた別の機会にまとめることにする。

大きく分けて上記3つの方法のうち、ユーザーの特性に沿うようなかたちで組み合わせて展開していくことが多い。ひとくちに収益化・マネタイズといってもその手法は千差万別だ。

*1:もともと記事広告に対しての用語だった。ネット界隈では「他社のネットワークを経由して無い広告」という意味で用いられることが多い。